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Cerebral Palsy
脳性麻痺の病態と、幹細胞培養上清液がこの領域でどのように研究されているのかを、当院の考え方とともに解説します。
Pathology
脳性麻痺は、受胎から生後4週間ごろまでの間に、まだ発達の途中にある脳が、酸素不足や血流の障害、感染などの何らかの原因で受けた損傷に基づく、運動や姿勢の異常とされています。損傷そのものは進行しない(非進行性)とされますが、損傷部位の周辺では、運動をつかさどる神経細胞の脱落、免疫細胞(マイクログリア)による慢性的な微小炎症、神経同士をつなぐ回路(軸索)の断絶といった変化が指摘されており、これらが麻痺やつっぱりの背景にあると考えられています。
Mechanism
一般に、幹細胞培養上清液には数百種類の成長因子・サイトカインや、情報伝達物質であるエクソソーム、その内部の miRNA が含まれるとされています。脳性麻痺に関わる病態(慢性の微小炎症・神経細胞の脱落・回路の断絶)に対して、これらの成分について次の3方向の働きが研究されています。
① 慢性炎症を抑える方向(抗炎症)
抗炎症性のサイトカインや、抗炎症に関与すると研究されている成分が、損傷部位周辺の過剰な免疫反応を抑える方向に働くと研究されています。炎症を抑えることは、周囲の神経細胞がさらに傷つきにくい環境を整えることにつながると考えられています。
② 休眠している神経細胞を保護する方向(神経保護・栄養)
損傷部位の周辺には、傷つきながらも生き残っている神経細胞が存在するとされます。BDNF(脳由来神経栄養因子)や GDNF(グリア細胞株由来神経栄養因子)などの神経栄養因子が、これらの細胞の保護・栄養に関与すると研究されています。
③ 血管新生と神経ネットワークの再構築
VEGF(血管内皮増殖因子)などが新しい血管の形成に関与するとされ、酸素と栄養の供給を支えること、また途切れた軸索の伸長や回路の再構築に関与しうることが研究されています。
※上記は成分に関する情報および一般的な作用機序の説明であり、脳性麻痺への効果を保証・示唆するものではありません。
Evidence
当院が採用する骨髄由来幹細胞(BM-MSC)の上清液は、エクソソーム専門の独立解析機関であるテオリアサイエンス株式会社の解析により、含まれる成分が定量されています。
出所や中身が不透明な製品と異なり、「どの成分が、どの程度含まれるか」が分子レベルで把握されている点が特徴です。上に挙げた miRNA も、この解析で実際に検出・定量されているものです。これは成分に関する客観的な情報であり効果を示すものではありませんが、中身が科学的に確かめられていることは、治療を検討するうえでの判断材料になります。
Timing
脳性麻痺は非進行性とされますが、それは裏を返せば、残された脳の可塑性(変化・修復する力)を活かせる余地があるという見方もできます。再生医療の領域では、一般に発症・診断からの時期が影響しうるとされ、可塑性が高いより早い段階が一つの目安とされることがあります。時期が経過している場合でも、症状の程度や全身状態によって検討できることがありますので、自己判断せず一度ご相談ください。
Eligibility
目安となる条件
おおむね生後6か月以降で、全身状態が安定していること(重篤な感染症や活動性のがん、制御困難な合併症がないこと)。ご本人または代諾者(保護者)の方が、内容について十分な説明を受けたうえで書面で同意いただけること。
お受けいただけない場合があります
重度の臓器不全(心不全・腎不全・肝不全など)がある場合。過去に幹細胞関連の治療で重篤なアレルギー反応・副作用が生じたことがある場合。
Reference
日本では、脳性麻痺は出生1,000あたり約2人前後の頻度で発生するとされ、小児で最も頻度の高い運動障害の一つです。近年は周産期医療の進歩により早産児・低出生体重児が救命される機会が増えたことなどを背景に、発生率はやや増加しているとの指摘もあります。
出典:日本医事新報社、MSDマニュアル プロフェッショナル版 ほか。
Glossary
Flow
Consultation
現在の治療やリハビリと組み合わせられるか等も、カウンセリングでご相談いただけます。
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