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Cerebral Hemorrhage / SAH
脳出血・くも膜下出血の後遺症(運動麻痺・感覚障害・言語障害・高次脳機能障害など)の背景と、幹細胞培養上清液がこの領域でどのように研究されているのかを、当院の考え方とともに解説します。
Pathology
脳出血は脳内の細い血管が破れることで、くも膜下出血は脳の表面の血管にできた動脈瘤が破れることで、脳の中に血液が流れ出る疾患とされています。命を取り留めた後に後遺症が残る背景には、脳梗塞とは異なる特有の変化が関わると指摘されています。流れ出た血液(血腫)が周囲の脳組織を圧迫するだけでなく、血液成分(ヘモグロビンや鉄イオン)が分解される過程で強い酸化ストレスが生じること、脳内に散らばった血液成分を排除しようとして免疫細胞(マイクログリア)が過剰に活性化し、慢性的な炎症が長く続くこと、さらにくも膜下出血の後には血管が細くなる脳血管攣縮(れんしゅく)や血管の炎症により、脳全体の微小な血流が低下しやすいことが知られています。
Mechanism
一般に、幹細胞培養上清液には数百種類の成長因子・サイトカインや、情報伝達物質であるエクソソーム、その内部の miRNA が含まれるとされています。出血後に生じる病態(酸化ストレス・慢性炎症・微小循環の障害)に対して、これらの成分について次の3方向の働きが研究されています。
① 出血後の慢性炎症を抑える方向(抗炎症)
抗炎症性のサイトカインや、抗炎症に関与すると研究されている miRNA(hsa-miR-16-5p、hsa-miR-146a-5p など)が、血液成分をきっかけに過剰となった脳内の免疫反応を抑える方向に働くと研究されています。炎症を抑えることは、周囲の神経回路がさらに傷つきにくい環境を整えることにつながると考えられています。
② 酸化ストレスから神経細胞を保護する方向(神経保護)
ヘモグロビンなどに由来する酸化ストレスによる細胞死(アポトーシス)の連鎖を抑え、傷つきながらも生き残っている神経細胞を保護することが期待されています。細胞の生存に関与するとされる hsa-let-7 ファミリー(let-7a-5p、let-7f-5p など)や、BDNF などの神経栄養因子が、この方向に関与すると研究されています。
③ 血管の炎症を抑え、微小循環を整える方向(血管新生)
出血によって傷ついた脳内の微小な血管を修復し、酸素と栄養の供給ルートを整えることが重要とされます。血管の形成・維持に関与するとされる hsa-miR-126-3p、hsa-miR-92a-3p や VEGF(血管内皮増殖因子)などが、この方向に関与すると研究されています。
※上記は成分に関する情報および一般的な作用機序の説明であり、脳出血・くも膜下出血への効果を保証・示唆するものではありません。
Evidence
当院が採用する骨髄由来幹細胞(BM-MSC)の上清液は、エクソソーム専門の独立解析機関であるテオリアサイエンス株式会社の解析により、含まれる成分が定量されています。
出所や中身が不透明な製品と異なり、「どの成分が、どの程度含まれるか」が分子レベルで把握されている点が特徴です。上に挙げた miRNA も、この解析で実際に検出・定量されているものです。これは成分に関する客観的な情報であり効果を示すものではありませんが、中身が科学的に確かめられていることは、治療を検討するうえでの判断材料になります。
Timing
脳出血・くも膜下出血は、急性期の出血が落ち着けば、それ以上進行しない(非進行性)とされます。これは裏を返せば、残された脳の可塑性(変化・修復する力)を活かせる余地があるという見方もできます。当院では「発症後2年以内」を一つの目安(推奨条件)と考えています。この時期は損傷部位周辺の組織が完全には固定化(瘢痕化)しておらず、リハビリテーションと組み合わせたアプローチが期待されると考えられているためです。2年を過ぎている場合でも、症状の程度や全身状態によって検討できることがありますので、まずはご相談ください。
Eligibility
目安となる条件
全身状態が安定していること(再出血のリスクが管理され、重篤な感染症や制御困難な合併症がないこと)。ご本人または代諾者の方が、内容について十分な説明を受けたうえで書面で同意いただけること。
お受けいただけない場合があります
急性期で全身状態が不安定な場合や、再出血のリスクが高いと判断される場合。重度の臓器不全(心不全・腎不全・肝不全など)がある場合。過去に幹細胞関連の治療で重篤なアレルギー反応・副作用が生じたことがある場合。
Reference
脳卒中のうち、脳出血はおよそ2割、くも膜下出血はおよそ1割を占めるとされ、年間の発症数は両者あわせて約5万〜6万人と推計されています。令和5年(2023)の患者調査では、くも膜下出血で治療を受けている総患者数は約6万7千人、脳血管疾患全体では約188万4千人とされています。くも膜下出血は比較的若い世代にも起こりうる点が特徴で、重い後遺症につながりやすい疾患とされています。
出典:厚生労働省「令和5年患者調査」、厚生労働省「人口動態統計」ほか。
Glossary
Flow
Consultation
現在の治療やリハビリと組み合わせられるか等も、カウンセリングでご相談いただけます。
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